【社労士試験対策】最低賃金引き上げの動向と関連知識 – 受験生必見の最新情報

最近の動向を踏まえた社労士試験のポイントを解説します。今回は「最低賃金の引き上げ」に関する最新情報と、試験対策のための知識をまとめました。

最新ニュース:2024年度の最低賃金引き上げ目標が決定

厚生労働省は2024年度の最低賃金について、全国加重平均で過去最大の引き上げ幅となる見込みを発表しました。これは政府が掲げる「年率3%程度の引き上げにより、全国加重平均1,000円以上」という目標に沿ったものです。

特に注目すべき点は以下の通りです:

  • 地域別最低賃金の全国加重平均が初めて1,000円の大台に乗る見通し
  • 東京都や大阪府など大都市圏では既に1,100円を超える水準に
  • 地域間格差の縮小に向けた取り組みの継続

これらの動きは、社労士試験でも重要なテーマとなる「最低賃金制度」の理解をさらに深める好機と言えるでしょう。

社労士試験で押さえておくべき最低賃金の基礎知識

1. 最低賃金法の目的と構成

最低賃金法は、最低賃金制度を確立することにより、労働条件の改善を図り、労働者の生活の安定、労働力の質的向上及び事業の公正な競争の確保に資するとともに、国民経済の健全な発展に寄与することを目的としています。

この法律では、主に以下の点が規定されています:

  • 地域別最低賃金の決定方法
  • 特定最低賃金の適用範囲
  • 最低賃金の効力
  • 罰則規定

2. 地域別最低賃金と特定最低賃金の違い

区分概要
地域別最低賃金・全国を47都道府県に分け、それぞれの地域内で働くすべての労働者とその使用者に適用
・地方最低賃金審議会の調査審議を経て、厚生労働大臣が決定
特定最低賃金・特定の産業について、関係労使が申し出た場合に設定される最低賃金
・地域別最低賃金より金額が高く設定されるのが通常
・対象となる産業に従事する労働者に適用

3. 最低賃金額の改定における考慮要素

最低賃金審議会が金額を審議する際には、以下の要素を考慮します:

  1. 労働者の生計費
  2. 労働者の賃金
  3. 通常の事業の賃金支払能力

これらのバランスを取りながら、適正な最低賃金額が決定されるのです。

過去の社労士試験から出題された問題

では、実際に過去の試験で出題された問題を見てみましょう。

令和3年度 労働一般 問4
最低賃金法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 最低賃金の対象となる賃金には、精皆勤手当、通勤手当及び家族手当は含まれない。
  2. 労働者と使用者との合意により最低賃金額を下回る賃金を定めたとしても、その部分については無効となり、最低賃金額と同様の定めをしたものとみなされる。
  3. 地域別最低賃金は、地方最低賃金審議会の調査審議を経て、厚生労働大臣又は都道府県労働局長が決定する。
  4. 特定最低賃金は、一定の事業又は職業について、関係労働者の過半数を代表する労働組合又は関係使用者からの申出があった場合に限り決定することができる。
  5. 使用者が、最低賃金の適用を受ける労働者に対して最低賃金額より低い賃金を支払った場合には、50万円以下の罰金に処される。
正解と解説

正解は「3」です。

解説:
地域別最低賃金は、地方最低賃金審議会の調査審議を経て、「厚生労働大臣が決定する」のが正しいです。選択肢3では「厚生労働大臣又は都道府県労働局長が決定する」としていますが、都道府県労働局長には決定権限がありません。

他の選択肢はすべて正しい記述です:

  • 選択肢1:最低賃金の対象となる賃金には、精皆勤手当、通勤手当及び家族手当は含まれません(最低賃金法第4条第3項)。
  • 選択肢2:最低賃金を下回る賃金を定めても、その部分は無効となります(最低賃金法第4条第2項)。
  • 選択肢4:特定最低賃金は関係労使からの申出があった場合に限り決定可能です(最低賃金法第15条第1項)。
  • 選択肢5:最低賃金額より低い賃金を支払った場合の罰則は50万円以下の罰金です(最低賃金法第40条)。

試験対策のポイント

最低賃金制度は、労働基準法と並んで社労士試験の重要分野です。特に以下の点に注意して学習を進めましょう:

学習ポイント
  1. 最新の動向をチェック:毎年改定される最低賃金額の推移や政策目標を把握しておく
  2. 適用除外者の範囲を理解:障害により著しく労働能力の低い者や試用期間中の者など
  3. 計算方法の確認:時間給、日給、月給などの換算方法
  4. 罰則規定の内容:違反した場合の罰則を正確に覚える

まとめ

最低賃金制度は社会保障制度の重要な柱のひとつであり、社労士試験でも頻出テーマです。今回紹介した最新の動向と基礎知識をしっかりと理解し、過去問演習を重ねることで、試験本番での得点につなげましょう。

皆さんの学習の一助となれば幸いです。次回も社労士試験に役立つ最新情報をお届けします!

記事内容は2024年5月時点の情報に基づいています。最新の法改正や制度変更については、必ず公式情報をご確認ください。
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